ああ、わたしの眼玉が乾いていく。ちりちりミクロの単位で縮むコンタクトにわたしの眼玉は蝕まれていく。白いヒールのつま先からわたしが硬化していく。そんでもわたし笑うんです。口だけは流暢に動いてもうやめてと鈍い血を流す頭を完全に制御してわたしぺらぺらと冷凍スパゲッティを褒めたたえるんです。

昔のこいびとのことを一度も思い出さない日がようやくようやく来ました。そして昔のこいびとの年齢を超えてしまいました。わたしはあいかわらずの病院通いで、エビリファイというお薬を飲んでいますが、飲んでいないのではとせんせいに疑われる生活です。それでもわたしだいぶだいぶしあわせです。一人用たまごやきフライパンで溶かした絨毯の長方形をどうやって隠そうとそんなわたしの思考は日常におりてきてる。わたしつまんなーいというわたしをこいびとはかわいいかわいいしてくれんの。

シャワーを浴びながら、桜の小鉢でチークブラシを洗う。いつまでもいつまでもお湯が染まる。お顔にかみそり当てない水蜜桃の頬もった女の子がそよそよブラシをゆすいだお湯飲みたいです。わたしのはやだな。ねえねなんでお化粧は日向でわたしを裏切るの。なに食っても肌が荒れる。食うっていうな。はい。

一回精神科いったら、現実に起こってる起こってたほんとのほんとまで疑われてしまうんだよ。ちゃんと薬のみなって言われるんだよ。そうやってほんとをかすませるためにお薬のまされて、さらちゃんのめんめとろんてして、みんな安心してわるいこといっぱいするんだ、なかったことにするんだ。