2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

纏足は、おんなのこがちゃんと未来へ生きるためのお母さんたちの苦肉の策なのに、わたしは自分で自分の足を折りました。だあれもそんなの望んでいない。わたしはいつでも時代遅れなのだなあ。

わたしがわたしでいる限り、どこにもいけない。死にそびれたわたしは十七からどこにもいけない。蝶々の纏足という本があったけれど、わたしは足を折られてあの四月にとどまっている。あのときわたしは本気で祈ったのだ。いちばん強い祈りが死への開放。どん…

きっと歯医者で怒られてしまう。矯正した歯並びが元に戻りつつある。しかしどうしてあんなにもお金をとるのだろう、6000円も毎回とられるなんてつらい。生活するだけでせいいっぱいではないけどそうだったからそうならないために働いているのになあ。どうし…

さよならさよならっていままでなんど首を吊ったのだろう。なんど涙をこぼしながらドアノブにかけたストッキングのわっかに首を通したのだろう。そうして、そうして、ちょっとぶらさがって、涙が止まると、明日の準備をして眠る。わたしにはこなさなくてはな…

給料のためにお薬を飲み飲みキャンペーンガールなんてしている。家電量販店にいる、レベルの低い、短いワンピースのキャンペーンガール。マイクでにこにこしゃべっていると頭がまっしろになる。ねえ、わたし、不快じゃないですよね。わたしのこと不快じゃな…

村上龍のラブ&ポップにでてくるのとおんなじ名前のラブホテルに指輪をわすれる。1000円のおもちゃみたいな指輪。昨日、京都駅で買いなおしたけれどまったく愛着がわかない。そこでそれをなくしたという記憶の方が明らかにうつくしいのだと気づいたのが、い…

黒目をおおきくするコンタクトは黒目の中の光を殺す。かわいくなるとはそういうことなんですねー。めんめというものはつくづく強いなあと思いながらレンズを剥がす。わたしの見たものたちはここにいて、命をなくし凝縮されていくのだと、机の上でちりちり縮…

ああ、わたしの眼玉が乾いていく。ちりちりミクロの単位で縮むコンタクトにわたしの眼玉は蝕まれていく。白いヒールのつま先からわたしが硬化していく。そんでもわたし笑うんです。口だけは流暢に動いてもうやめてと鈍い血を流す頭を完全に制御してわたしぺ…

ね、ね、正方形に敷き詰められた長方形のタイルたち、わたしには昔の人の描いた薔薇に見えるな。その真ん中をヒールではずむように歩くわたしは、不幸には見えない。見えっこない。さあ、歩け。歩け。わたしの行き先を誰も知らない。

昔のこいびとのことを一度も思い出さない日がようやくようやく来ました。そして昔のこいびとの年齢を超えてしまいました。わたしはあいかわらずの病院通いで、エビリファイというお薬を飲んでいますが、飲んでいないのではとせんせいに疑われる生活です。そ…