数学や漢文でぐりぐり見えなくなるまでわたしが塗りつぶし殺した言葉は“もと、人を無理になぐり殺す意”と漢文語彙字典にあって、ちせの長年の恨みは溶解。ああ可哀相だ。そんな名前を永遠に引きずればいい。知らないまま可愛いでしょ変わってるでしょって詩的な名前を愛せばいい。わたしはロリコンがきらいです。父方の叔父さんや図書館やバスの変態さんでこりごりです。でも育ちたくないわたしと育たれなくない二人の夢は重なって悲劇。ロリコンを引っ掛けようとするちせは夢を捨て切れん十八歳。そういうひとに好かれたらわたしはまだだいじょうぶでしょ？って生きる確かめ。
