天使 聖女 お姫様

苦しみながらギャンブルする人を見るのがかなしい コンビニのお弁当を夜遅くひとりで食べてる人がかなしい ひとりお布団で眠れない人がかなしい 若くても 若くなくても そういう男の人がどうしようもなくかなしい そういうシーンを電話で伝えられたちいさいわたし「じゃあちせハンバーグつくってあげる(はあと)」「ちせがおうたうたったげる(はあと)」「もうだいじょうぶ ですよ」血液が爪先におっこちていっても 電話では声がすべてですわかります だからちせはとっておきの天真爛漫 内心はどうにもできないやるせなさ 愛憎 態度が定まらなかった二人の男 切々語ってもみんながふうんていうことがいちいちかなしくて堪らず いつだかそういう人と体を重ねる夢を見て はてこれえぐれる失恋の所為か潜在的ファザコンの所為かただ単にわたしはわたしが想像してる以上にえっちいのか どれでも いや ほんとうに いや いや いや いや 顔は覚えてない 顔なんてどうでもよいのだと思う